ドキュメントハックス 書かない技術(石黒由紀)
3年間の研究開発成果を1つのレポートにまとめる際に、本当に苦労した。
1つのテーマといっても、最初から最後まで関わったのは私のみ。
とはいえ、いろんなプロセスを試行錯誤したから、それぞれしか知らないノウハウもある。
結局、冗長な大作レポートになってしまった。
内容よりも、それにかけた膨大な時間が惜しい。
そんなときに、この本を読んだ。
そうか、そうだったんだ、と思った。
あれだけ大量の時間と紙を使わなくてもよかったんだ。
ドキュメントハックス-書かない技術 ?ムダな文書を作り方からカイゼンする? (マイコミ新書)
- 作者: 石黒由紀
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 新書
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この本を読んだ後の今なら、たぶん下記の手順でレポートを書いていたと思う。
【STEP1 関連する内容を全部を見て過去を振り返る】
まず、各自が重要と考える実験データ、写真、レポートをA4サイズに出力する。
出力したのが誰か、ファイル名と保存場所も、出力した紙自体にメモしておく。
一連の内容でなければ、片面出力にする。2up割り付けはしない。
1ページに2つの実験内容があれば、改ページして片面出力する。
【STEP2 関連する内容を並び替えて、思い出アルバムを作る】
全員で出力した資料を内容に応じてグループ分けし、さらに順番を時系列か、プロセスの手順で並べ直す。
右往左往した記録は時系列で。
最後に、まとめて1冊の束にする。
全体を俯瞰してわかった内容やメモについては、同じくA4サイズに出力して、挟む。
目次も付ける。
これで、開発にかかわったメンバーのためのレポート(思い出アルバム)は完成。
この時点で、スキャナ機能が強化されたコピー機でPDFで保存してもいいかもしれない。
【STEP3 報告書の内容をかためる】
次に、成果報告書としてまとめるため、前述の思い出アルバムの中から、必要な内容と図面を選び出す。
アルバムの中身に直接、蛍光ペンや付箋で抜き出す内容・図面や書き加えるべきメモを書き込んでいく。
それを見ながら、成果報告書に入れる内容の紙だけ、抜き出して、また別の束にする。
さらに、成果報告書の順番を考えながら、資料を並び替えて、足りない資料(あるいは複数のデータをまとめて比較するグラフなど)が必要になれば、A4の紙に手書きでメモを書き、はさんでおく。
その状態で、メンバー全員で内容を絞り込んでいく。
【STEP4 報告書を書き始める】
目次と図面、内容、フォーマットが固まったら、各自で、担当するグループの束に関して、レポートを書きだす。
【STEP5 報告書を推敲する】
細かい構成を統一し、各メンバーでレポートをチェック、修正する。
文章は絶対声に出して読む。知っている内容だから、先が読めて、先走ってしまい、細かい文章に目がいかなくなるから。
こうしてれば、悩まずに済んだのにな。
今は実験レポートも書かない業務なので(議事録ばかり)、反省は生かされないけど。