ドキュメントハックス 書かない技術(石黒由紀)

3年間の研究開発成果を1つのレポートにまとめる際に、本当に苦労した。
1つのテーマといっても、最初から最後まで関わったのは私のみ。
とはいえ、いろんなプロセスを試行錯誤したから、それぞれしか知らないノウハウもある。
結局、冗長な大作レポートになってしまった。
内容よりも、それにかけた膨大な時間が惜しい。

そんなときに、この本を読んだ。
そうか、そうだったんだ、と思った。
あれだけ大量の時間と紙を使わなくてもよかったんだ。



この本を読んだ後の今なら、たぶん下記の手順でレポートを書いていたと思う。

【STEP1 関連する内容を全部を見て過去を振り返る】
まず、各自が重要と考える実験データ、写真、レポートをA4サイズに出力する。
出力したのが誰か、ファイル名と保存場所も、出力した紙自体にメモしておく。
一連の内容でなければ、片面出力にする。2up割り付けはしない。
1ページに2つの実験内容があれば、改ページして片面出力する。
 
   
【STEP2 関連する内容を並び替えて、思い出アルバムを作る】
全員で出力した資料を内容に応じてグループ分けし、さらに順番を時系列か、プロセスの手順で並べ直す。
右往左往した記録は時系列で。
最後に、まとめて1冊の束にする。
全体を俯瞰してわかった内容やメモについては、同じくA4サイズに出力して、挟む。
目次も付ける。
これで、開発にかかわったメンバーのためのレポート(思い出アルバム)は完成。
この時点で、スキャナ機能が強化されたコピー機でPDFで保存してもいいかもしれない。
 
   
【STEP3 報告書の内容をかためる】
次に、成果報告書としてまとめるため、前述の思い出アルバムの中から、必要な内容と図面を選び出す。
アルバムの中身に直接、蛍光ペンや付箋で抜き出す内容・図面や書き加えるべきメモを書き込んでいく。
それを見ながら、成果報告書に入れる内容の紙だけ、抜き出して、また別の束にする。
さらに、成果報告書の順番を考えながら、資料を並び替えて、足りない資料(あるいは複数のデータをまとめて比較するグラフなど)が必要になれば、A4の紙に手書きでメモを書き、はさんでおく。
その状態で、メンバー全員で内容を絞り込んでいく。
  
  
【STEP4 報告書を書き始める】
目次と図面、内容、フォーマットが固まったら、各自で、担当するグループの束に関して、レポートを書きだす。
 
   
【STEP5 報告書を推敲する】
細かい構成を統一し、各メンバーでレポートをチェック、修正する。
文章は絶対声に出して読む。知っている内容だから、先が読めて、先走ってしまい、細かい文章に目がいかなくなるから。
 
 
こうしてれば、悩まずに済んだのにな。

今は実験レポートも書かない業務なので(議事録ばかり)、反省は生かされないけど。