情報のさばき方(外岡秀俊)

2006年から朝日新聞の編集局長を務める人物の著書。
まだ読書中ですが、参考になる話があったので、メモ。

情報分析レポートを出す際には、とりあえず結論を書け、ということ。
後で結果責任を問われないための保身、に走って結論をぼやかすことは、慎重であることとは別物です。
著者は軍事評論家で先輩でもある田岡俊次氏のアドバイスとして
「分析の精度を上げるには、とりあえず結論を出す」と書いています。
それは次に分析で、さらに精度を上げるため。
無理を承知でも、一定の結論を、その論拠・情報とともに残しておく。
そのことにより、結論が間違っていても、その原因がどこにあるのか、
つまり情報が不足していたのか、誤っていたのか、評価ミスなのか、見過ごしていたのか
がわかるということです。
 
これは自分のためにもなりますが、レポートを見た人のためにもなります。
読んだ人も結論を導いたり、あとになって情報が変わったときに、レポートを土台に次の結論を導くことができるからです。
 
実験室での実験(物理、化学、電気など)と違って、時代や市場を読むには、ある程度は主観が必要なようです。

情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント (朝日新書)

情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント (朝日新書)